デイビッド・シャノンと言えば、「あめふりのおおさわぎ」「自転車にのるアヒルくん」「ストライプ」で、存在感のある絵が特徴的で大好きな作家です。
かと思えば、絵の作風が全く異なるデイビッドシリーズもあり、これもその内容が秀逸です。
今回の作品は、2004年の作品ですが、邦訳は2009年12年の待ちに待った新作。
アリスは、デイビッドのお姉さんという感じ。
デイビッドのようにやってはいけないことを連発せず、もう少し道理はわきまえている普通の女の子の等身大の姿を忠実に描いたもの。
少し誇張はありますが、実に少女の心理を上手に表現しています。
少女なら誰しも憧れるであろう妖精になりきっているアリスですが、どのページをめくっても、あるあると頷けることでしょう。
なりきったのが妖精という設定は、子供の象徴として実に巧み。
上級の妖精学校といった表現には、脱帽せざるを得ません。
なりきりごっこですから、男の子よりは、女の子に共感を得られることと思います。
デイビットシリーズよりは、若干分かりにくいところがあるかも知れませんが、やはり期待を裏切ることのない作品に仕上がっています。
デイビットシリーズを読んだ後に、是非読みきかせして欲しい絵本です。