「広辞苑」で「絵本」を調べると、「挿絵のある書籍」とまず出てきます。
そのあとに「絵を主体とした児童用読み物」とありますが、こちらの方が私たちが日頃読む「絵本」に近いように思います。
では、「図鑑」はどうでしょう。「写真や図を系統的に配列して、解説を加える書物」とあります。
「知ってとくする 食べておいしい」と副題のついたいわさゆうこさんのこの本の場合、絵本というより図鑑の方がぴったりくるような気がします。
なんといってもその情報量の多さです。
最初に出てくる「トマト」の場合、主な産地や料理の方法、リコピンの効用まで載っています。わずか1ページの中に子供たちが知るには十分な情報がはいっています。
しかも、赤いトマトはいわささんの絵で描かれています。(この本にはいわささんの絵だけでなく写真も使われています)
この本一冊あれば、野菜の栽培にも、食べる時の一口メモにも便利なこと間違いありません。
紹介されている野菜は主だったものはほとんど載っています。
さらには「京やさい」や「加賀やさい」「沖縄のやさい」といった地域独特なものや、しいたけなどのキノコ類、ミントやタイムといったハーブ類、さらに山菜まで網羅されていますから、これはもうりっぱな「図鑑」です。
おしまいは「やさいをおいしく食べるため」の「やさい7か条」まであるこだわりよう。
こんな本が一家に一冊あれば、野菜生活も楽しくなります。