このところ柏葉幸子さんの作品を続けて読んでいます。
『つづきの図書館』の主人公は40歳の女性・桃でしたが、この主人公の牡丹さんは中学生の菫の母ということなので、
『つづきの図書館』の桃さんと年齢的に近いだろうなあと思って読んでいました。
桃さんが大人しい感じでしたが、こちらの牡丹さんはパワフルです。
温泉街の旅館を家として買って引っ越してきたところから話は始まります。そこにはゆきやなぎさんという幽霊が住んでいました。
全然動じることがなく幽霊と同居してしまうし、次々に起こる不思議な出来事もすんなり受け入れてしまう牡丹さん。
児童書ですが、牡丹さんの年齢に近い母親世代は牡丹さんに、菫の年齢に近いお子さんは菫の方に寄り添って読めます。
エピソードなの中では8章「帰郷」の綾子さんが『つづきの図書館』の桃さんに設定が近い感じがしました。
親になって児童書を読むと、子どもの方の気持ちもわかって、またその周辺の親の気持ちもわかるので、
子どもの時よりも深いところで共感できることもあるのではないかと思います。
柏葉さんの児童書は親世代が読んでもおもしろい児童書が多いですね。