息子に読み聞かせながら、自分自身子供のころ以来の再読です。
ももちゃんとあかねちゃんの成長にほのぼのしつつ、
取り巻く世界の複雑さに、いろんな気持ちにさせられる本です。
児童書でありながら、離婚問題を扱ったということで
当時から話題だったことは覚えていましたが、こんなふうに
表現されていたのですね。
夜中に帰ってくるお父さんの靴、死神にとりつかれるお母さん。
ぐいぐいとその苦しさ虚しさが伝わってきます。
と、同時にこんなふうに表現する松谷みよ子さんの筆力にうならされて
います。
ついにお引越しの日が来て、ももちゃんたちは家を出てゆきます。
無邪気なこどもたちをのせた車が去った後に現われるお父さんの姿が
とても寂しそうで・・・こちらまで哀しくなりました。
それから私自身の深層心理に深く刷り込まれていたエピソード。
「だれかさんのうしろにへびがいる」の遊びの描写。
幼かったころの私はこのお話がほんとうに怖かったのでしょうね。
トラウマになるくらい、子供の心にすっと入り込む松谷さんマジック。
(これは怖い話に限らず、ってことです)
息子はタッタちゃんやタァタちゃんのかわいらしいお話は喜んで、
夫婦の難しいお話には神妙な顔で聞き入っていました。
松谷さんは、すごいです。