誰も成し遂げたことがないことに挑んでいくピッポの姿勢が素敵です。
ライバルであるロレンツォと一緒に仕事をしなければならないことになり、名誉の半分が相手のものになると考え、かんしゃくを起こします。そんな人間らしさを見せながらも、自分が設計したドームの完成した姿を思い浮かべ、つまらないプライドではなく自分のアイデアを実現する方を選んだピッポは、自分の仕事に誇りをもつ正真正銘の職人でした。
ポー・エストラーダの描く絵は、細かいところまで書き込まれていて、人物の表情や街全体の景色、ドームを作っている場面、そして完成したドームがのった大聖堂の姿など見飽きることがありません。
お話とともに絵もじっくりと楽しんで欲しいと思います。