2010年「こどものとも 年少版」で立ち読みました。
大人にも読んでもらいたいなと即思いました。
が、嬉しいことに、今年新たに出版されたようなので、仲間に薦めたいと思います。
タイトルのいしゃがよい″という文言が妙に懐かしく、最近は聞かない言葉だなぁ〜と思いました。
なんか、明治の文豪たちの作品にはずらずら出てきそうですよね。
さて、お話は中国のようです。
エンさんが、山にきのこ狩りに行って、大声で泣いているパンダの子を見つけ、育てることにしました。
ここから、エンさんの子(パンダ)育てが、始まります。
人間もパンダも子どもは、いつも気を抜けません。
やれおなかが痛い、頭が痛い、やれ風邪だと、親はそのたびに右往左往しながら、子を連れ、懸命に快癒を願い医者通いをします。
医者通いの経験のない親御さんはいませんよね。
私も子育ての中で、何度もハラハラドキドキし、医者通いをしました。
エンさんは、体の弱いファンファン(パンダの子)が病気になる度、自転車にのせて、ひと山越え、ふた山越え必死にいしゃがよいをします。
この山が、中国の山水画に出てくるような妙にとんがった山なんです。
このとんがり具合が子どもには単純に可笑しく、大人にはエンさんの苦労が伝わるようによく描かれていると思います。
月日は流れ、パンダは見事に成長し、エンさんは、・・・・・・。
扉絵から魅力的なさくら先生の絵は、「オヤジの海」もそうでしたが、横に白いストライプが全見開きに入っていて、なんとも言えない深淵な味があります。
とても落ち着いた気持ちで読めるので、私は好きです。
最後まで、幸せな気分で読めました。
やはり大人が読むと、ジーンとする素敵な作品です。
絶対お薦めです!