10人の作家による怪談・短編集(読み切り)。
平成〜昭和の、私たちの暮らしに身近な場面や題材をつかって、奇想天外な話や、妙にリアルで怖い話が楽しめる。
創作怪談なので、ぶっとんだ展開が面白い。怪談、といっても幽霊の話ばかりではなく、超・KY(空気の読めない・個人プレー大暴走の人)の恐ろしさや、不思議な夢、生き物の話など、珍談奇談が満載。
恐ろしい話もあるが、SFや不思議な話の特集ともいえる。
個人的に好きな話は、「ようこそ!ミステリーツアー」。
KYの恐ろしさがよくわかる。怪談=幽霊・心霊現象という先入観を打ち砕いてくれる、個性的な展開。
「呪いが招く金魚の盆踊り」は、学校で飼育している生き物の話。
小学校の男子・女子の変な対立や、調子に乗って悪さをする子どもの残酷さなどがよく書かれている。小学校時代の嫌な思い出、腹正しい思い出を思い出す。
生き物も、このくらい強烈に仕返ししてもいいと思った。
なかなかほっこりさせられる人情話もあり、昔の映画やテレビ番組のネタを思わせる話もあり…いろんな意味で楽しめる作品集。
文字が大きく、1話完結、読みやすいので、年齢問わずおすすめできるシリーズ。