真っ赤な帽子をかぶったカモくんの絵に惹かれて読みました。
カモくんの名はバル。
池の真ん中にある素敵な家に、ミュミュちゃんと一緒に住んでいます。
このバルくんの宝物は、からす貝の貝殻。
泳ぎ上手なバルくんが、この貝殻探しに近頃夢中なんです。
収集家は、時として自分のコレクションを取り出し並べ、悦に入る事がありますよね。
まさに、今のバルくんがそうなんです。
とってもほくほくな気分で、ミュミュに見せてあげたら、思いもしなかった反応が、・・・。
ん〜〜〜、ミュミュちゃんももう少し言い方はなかったのかしら〜?
追い討ちを掛けられるように、ねずみのトトシュにおんなじ事を言われてしまって、読んでいてバルが気の毒に思えてきました。
確かにコレクションは、広く種類の違うものを集めるのでしょうが、同じ種類の貝殻だって良いじゃありませんか。
集めた人には、ひとつひとつ思い出があるから見分けられるんでしょうし、なんて事を思いながら先へ進みました。
ほかの貝殻探しに池へ飛び込んで見つけた巻貝。
あらま〜、綺麗♪って思っていたら、次ページで大笑い。
この後の巻貝家族のネーミングも愉快愉快。
それにしてもバルくんって素敵な子ですね。
大切にしていたものを全て人に与えてしまえるなんて。
なかなかこういう行為はできません。
ミュミュは辛口な発言が多いけれど、男子を見る目はあるのかも(笑)。
ラストの日没前の景色が綺麗でした。
なんかとっても優しい気持ちになれました。
クスッと笑えて元気が出る事を一番に考え作品作りをしている方らしい素敵な作品でした。