『The House』が原題。
バートンの『ちいさいおうち』同様、古い家が定点観察で、体感した人びとの営みを語ります。
その語りの時空が百年ですが、実は、語られていない約250年の時間も、
この家には染み込んでいるのです。
画面いっぱいに精緻に描かれた人々の生活ぶりから、様々なことがわかります。
語りの中には、戦争や、結婚、出産、死などもあります。
描かれたたくさんの人々がそれぞれの人生を歩んでいたんだ、と
ある意味当然のことが伝わってきました。
扉の上の横板の変遷も興味深いです。
ラストに描かれた最近の家の現状。
スタイリッシュな家ですが、どことなく、古い家の精神が息づいているような気がします。
1900年代を少し学んでいないと理解が難しいかもしれません。
どちらというと、ノスタルジーを感じられる大人向けかもしれませんね。