石井桃子さんの「山の子どもたち」の続編のような山の暮らしが描かれた本です。
ねずみがたくさん出るために飼われることになったねこのトム。
あまり大切に育てすぎたのか?ねこなのにねずみを捕ろうとはしません。
トムが病気になったところでは、助からないのでは?と思い心配になりました。
家族の人たちがトムのことを大事に思い、またトムのことをよく見ていることや、戦後の東北地方のこと、鉱山のある山の風景など、丁寧に描かれていて、その時代の空気感や子どもたちの様子が感じられました。
絵が「山の子どもたち」童謡に深沢紅子さんなのも味わい深いです。
最後の章の「山のクリスマス」では、物のない生活の中でも家族が工夫し合ってプレゼントを工夫するところは、互いを思いやる温かさを感じました。
トムがおもわぬところで活躍するのも微笑ましかったです。