何とも奇妙なタイトルと、表紙の絵。
落語風絵本とありますが、なんと大島妙子さんの自作落語のようで、読む前からドキドキワクワク!
お話は、しょっぱなから辛い展開。
息子に続いて、旦那さんも?・・とちょっと暗い気分になりかけたところ、予想をはるかに超えた展開に。
手首が出てきたところでは、不気味なんだけど、二人のやりとりが何だか面白くて、どんどん先が気になり・・・
ついに親子名乗りをあげたところは、本当に感動しました!
そして、手首が無いと不便だろうと、返しに行くお光さんの姿に、やっぱり母親の愛情を感じました。
その後の展開も面白く、必死なお光さんには悪いと思いつつ、つい笑ってしまいました。
身体は無くとも、せめて手首だけでも孝行したいというテの助の思いと、二十年も毎日息子のことを忘れることなく、仏前にご飯を備え続けた夫婦の奇跡のお話。
こんなすごいお話を考え付く大島さんは本当にすごいです!
読み終わって、温かい気持ちになった1冊です。