家の近くで農園の貸出事業が始まったので、この春から小さな菜園を始めた。
となると、夏の野菜、つまり夏に収穫される野菜の栽培から始めることになる。
畝作り、種まき、苗植え、間引き、防虫ネット掛けと、今までしたことばかりの連続で、楽しんでいる。
春に種を蒔いたラディッシュは一ヶ月で収穫となった。
今は花をつけだしたトマトやなすびの苗を見て、どんな実になるかと、胸ふくらませている。
そんな日々だから、絵本をさがすにしても、つい野菜の絵本はないかと、そんな目になっていて、見つけたのが、この絵本。
ひろかわさえこさんの「やさいむらのなかまたち」。「春・夏・秋・冬」の4冊シリーズになっている。
このシリーズの特長は、なんといってもひろかわさんのイラストがかわいいことだろう。
野菜というのは、それぞれに形状的な特長があるが、その特長をうまくとらえている。
例えば、この「夏」編でいえば、トマト。
「やさいむらのとまとさんはスポーツだいすきな、けんこう美人」と擬人化されている。
バーベル運動をして、顔を真っ赤にさせている「とまとさん」。
うまく特長をとらえている。
加えて、「トマトのルーツ」であったり、「トマトの栄養」であったり保存方法であったりが、ミニ情報として収められている。
こういうかわいいイラストとともに読むと、野菜に親しむのではないだろうか。
実際私が借りている農園でも親子連れの姿をよく見かける。
「食育」ということがしきりにいわれるが、土と苗に接することで、野菜との距離がうんと近くなる。
この「夏」編では、まさに今私が育てている野菜たちがほぼ全員紹介されている。
「けんこう美人」のトマト、「ぴっかぴかのえがお」のピーマン、「やさしくてしんせつ」ななすび、「ねくらではない」オクラ、「おしゃれ」なきゅうり、「ひそかなにんきもの」にんにく、「シンデレラになることをゆめみて」いるかぼちゃ、「おんがくずき」なとうもろこし。
オクラとにんにく、かぼちゃは、私の栽培リストにはないが。
この絵本のような、かわいい実がなるか、ますます期待がましていく。