原題は、「Read for meMama」
読書に関する絵本だと思って軽い気持ちで読んでみたのですが、さにあらず。
非常に深い作品です。
読書に興味を覚えつつある主人公のジョーゼフは、易しい本なら一人で読めるのですが、難しい本はまだ読むことができません。
ママに読んでと頼んでも、忙しいとはぐらかされてしまいます。
日本なら体の良い理由と言えるのですが、実はママは字が読めないからなのです。
誤魔化せなくなって、とうとうママは教会で
「私は字が読めるようになりたいのです。
息子には字の読める母親が必要です。
ですが、私は読み書きの練習をしたことがありません。
学校でもちゃんと習いませんでした。
私は読み書きがまったくできないのです。」
と真実を告白するのです。
国別の識字率をいうことがニュースになる位ですから、これが現実なのでしょう。
とても日本では想像できません。
本当のことを言ったママの勇気と、それからのジョーゼフのママへの接し方に心を強く打たれました。
素晴らしい作品に違いはないのですが、こうした現実を理解できる年齢でないとオススメできるものではありません。
なおさら、識字率100%近い日本ですから、子どもに理解して貰うことは難儀なことだと思います。
大人の絵本と言った方が良いのかも知れません。