少年カルが住んでいるところは、山のずっと高いところ。学校にいくこともできなければ、図書館もありません。妹のラークは、本を読むことが好きなのに、カルは、文字すら読むことができませんでした。
ある日、ひとりの女性が、本をたくさんつめたバッグを持って、馬に乗ってやってきました。
ラークは喜びました。本を貸してくれて、二週間たったらまたやってくるというのです。
ケンタッキー州のアパラチア山脈あたりで、実際にあった荷馬図書館計画で行われたことでした。
子どもたちに本を読んでもらいたいという思いで、馬に乗って、危険を顧みず、本を届ける女性たち。その思いからくる行動にただただ感心させられました。
そして、カル少年をも変えていったのです。おかあさんが、ブックウーマンに言ったひと言が、心に残りました。
恵まれた環境の中にいながら、本から遠ざかっている今の現状は、悲しい限りです。