大牟田市生まれの内田先生ご自身の体験でしょうか?
炭鉱の社宅が出てくるところで、三池炭鉱だなって思いました。
同じ夢を見る体験は、私もあります。
いつも同じ場所に行き、立ち往生して、そして夢の中で、ここに来たことがある、あるいは、またこの夢を見てるっていう自覚があるんです。
このお話の主人公の夢は、生みの母親との思い出の場所だったんですね。
ひとには、いかんともしがたい(運命ともいうべき)人生の道筋の上を歩まねばならない辛さがあります。
確かに幸せな事楽しい事もありますが、おおおむね険しい道のりなのではないでしょうか。
主人公の辛さはもとより、先立った生みの母親、継子につらくあたってしまった二番目の母親、必死に働いた父親、皆、辛さを抱えつつ人生を歩んだのだと思います。
しかし、辛さは人を強くしてくれ、優しくしてくれ、よりよく生きる前向きな持ちにもしてくれる苦い良薬なのかもしれませんね。
電車の中で、隣に座っている、見ず知らずの人の横顔を見ながら、この人も自分の人生を大切に抱えて歩んでいる人なんだって、ぼんやり考えたりすることがあります。