表紙の絵に惹かれて読んでみたのですが、大正解。
久しぶりに我家のテイストに合った絵本との邂逅があったという感じです。
「かようびのよる」「3びきのぶたたち」「漂流物」で、3度コールデコット賞を受賞したデイヴィット・ウィーズナーを彷彿させると言いたい位の出来栄えの作品だと思います。
物語は、主人公のぼくが、雨宿りをしようと一本杉の下に駆け込むシーンから始まります。
不思議なことに、一本杉の周りだけが雨。
すると、ドーンという音とともにおっきな赤ん坊が落ちてきたのです。
ぼくの頭はチリチリです。
雷小僧というイメージからすると、大きすぎるのですが、ぼくの後を飛んでついて来るのです。
その雷小僧が、ぼくにしか見えないというのがミソ。
学校について来ても誰にも見えません。
しかも、授業中に太鼓を叩いたものだから、クラス全員の頭がチリチリのアフロになってしまったりと大変な騒ぎです。
圧巻は雷小僧について行って、その棲家にたどり着いてから。
かみなりさまが登場し、仕事に出かけるのです。
ぼくも仕事に参加するのですが、その奇想天外なかみなりさま達の仕事振りは、私達の想像を遥かに超えるもの。
この発想力は、凄いの一言。
最後のオチも納得もので、ストーリー自体の面白さも充分です。
でも、何と言ってもこの絵本の素晴らしさは、その精緻な絵。
装丁のイラストレーションを手がけてきたというその絵は、見所満載です。
特に、かみなりの棲家は、今まで見たことのないスケールの代物で、シゲリ カツヒコさんの類稀な才能に圧倒されること間違いありません。
何回見直しても、新しい発見があることと思います。
読み聞かせにピッタリの超オススメの一冊です。
本作が、作者にとって初めての絵本とのことなのですが、次回作が楽しみです。