「野菊の墓」を読みたくて手に取りました。
島崎藤村の「ふるさと」は初めてですが、昭和生まれの私でも、かすかにしかイメージできない懐かしい叙情風景にしみじみと祖先の時代を思い起こしました。
今の若い人には別世界ですね。
藤村の優しさと厳しさを感じました。
国木田独歩は、おまけのように読んでしまいましたが、独歩の角張った性格を感じました。
「野菊の墓」は、舞台近くに住んでいるだけに、頭に物語風景が浮かびます。
感情移入できる作品だけに、ただただかなわなかった二人の思いを悲しみに変えてしまった背景を、恨みがましく感じました。
児童向けに解説やルビが振られていますが、すでに古典のような異質感を備えています。