表紙の物憂げな少女に誘われ、ページを繰った。
広島平和記念公園の、折鶴を掲げる像のモデルと知る。
中学の修学に訪れ、その目に留めた碑文は、忘れられない。
悲しいはなし、胸がつまる本当にあったはなし。
悲しみが世界をつなぐなど、あってはならないのに、虚しい。
人のいのちの尊厳、抱えきれないほど重いものを、
こんな小さな赤い折り鶴が運ぶなんて、考えるだけで切ない。
赤い紙が、特効薬の包み紙だと知って、また泣いてしまった。
死してまだ希望を届け続ける彼女に、心より敬意を払いたい。
みなさんにも、どうか読んで知っていただきたい。
感謝。