白黒のシンプルな絵とは反対に内容はとても深い。「ぼうや」の欲求を満たしてあげようとする「木」。見返りを求めない無償の愛のように感じるが、「木」はそれで幸せだったのかはわからない。どちらに対しても、それで良かったのかと疑問が残る。
読み手の年齢や境遇で感想がおもしろいほどに異なる内容だと思う。読み手がいろいろと考えて「自分」を振り返ったり、見つめ直すための本なのかなという気がする。
「木」が「ぼうや」にものを与えるところよりも、切り株だけになってしまった「木」が腰掛ける「ぼうや」のために“せいいっぱいせすじをのばした”ところに一番愛を感じた。