自分につけられた名前というのは普遍的、永久的なものなのだろうか?とふと思いました。名字については結婚で変わることがありますが。
同じ頃に読んだ本で『エディート、ここなら安全よ』でホロコーストから逃れるためにユダヤ人の少女がフランス人の名前を名乗る場面がありました。そこで感じたのは自分のアイデンティティとは?
この『わたしは、わたし』の中では父が殺人事件の目撃者となってしまったために、違う町へ移り住み違う名前で生きることを余儀なくされる家族のことが描かれています。
日本の児童書と海外の児童書のテーマで大きく違うといつも思うことは「生きのびるには」が描かれていることです。
突然、自分の運命を変えてしまう出来事がやってきた時にどうしたら生きのびることができるのか?
この家族は別の家族になる道を選びました。『あなたはそっとやってくる』『ひとりひとりのやさしさ』と続けてジャクリーン・ウィルソンの作品を読んでいますが、いつも深いテーマを投げかけてくる作家であると同時に、文章が詩的で吸い込まれるように物語の世界に入ってしまうそんな印象があります。
私は私としてどう生きていくのか?主人公の少女と家族の生き方を通して考えさせられるものがありました。