「ぶたばあちゃん」というタイトルと絵の感じから、コミカルなお話を期待して手に取ったのですが・・・このギャップには圧倒されました。子供に読んであげていると必ず私が泣いてしまう本が何冊かあるのですが、この本はそのトップの座に躍り出ました。
自分の寿命を悟ってしまったばあちゃんが、残された時間の中できれいに自分の生の後始末をしていきます。あたりに借りはないようにして、残される娘に面倒をかけないように。孫娘にはささやまな日常的なアドバイスとばあちゃんと最後に過ごす時間をプレゼントして。なんて、きれいな逝き方でしょうか。人間こうありたいとは思ってもなかなかできないでしょうね。
孫娘が悲しいのをこらえてばあちゃんの死を受け入れ様としている姿にも心を打たれます。二人の間を静かな時間が流れて行きます。一番取り乱しているのは本のこちら側にいる私です。