ある動物園でのとある一日を、4者の視点から描いたお話です。
小学生のまぁちゃん。
まぁちゃんのお母さん(とお父さん)。
同じ日に動物園に来ていた、おじいさんとおばあさん。
そして、カバの飼育員の井上くん。
この4組の人々が、ちょっとずつつながりを持ちつつ、お話が進んでいきます。
それぞれみんな、思うところがあって動物園に来ているのです。
でも、もちろん、すれ違うだけの他人には、その人が内心何を思っているのか、何を悩んでいるのかなんてわかりませんよね。
でも、そんな他人でも、ほんのちょっとした言葉の往復で、気持ちのとげとげした部分が和らぐことってあるんですよね。
この本では、「カバ」が重要なキーポイントになっています。
ホンモノのカバ、そして、「ヒポポタマス」(カバを英語でこういいます)という言葉も。
読み終わったときには、気持ちが暖かくなるお話でした。
そして、私も動物園にカバを見に行きたくなりました。
文章自体はわかりやすい言葉で書かれていますし、漢字も比較的少ないのですが、章によって語り手が変わっていくことで4者の気持ちを描きわける構成になっているので、読書力がしっかりついていないとお話がすんなり入ってこないかもしれません。
小学校中学年〜くらいのお子さんにいいのではないでしょうか。