臨床心理学者の河合隼雄と詩人の長田弘の対談集ですが、中で絵本から児童書までお二人が読んで感動した箇所に触れています。
紹介されている本には出版社や作者も記してありますので、読書ガイドとして読んでも楽しいです。
例えば「指輪物語」のことを長田弘は「背筋がぞーっとする怖さが、ときどき波のように襲ってくる」と表現しているのは、本当にその通りだと思いました。先が読みたいのでけれど、読み続ける怖さもありファンタジーだとわかっているのにとても怖かったからです。
河合隼雄は子どもの本に関する著作も多く、私はこの本ではありませんがE.L.カニグズバーグの「クローディアの秘密」を知ったことが大きな収穫でした。
この本を読まれたら、きっともっと絵本や児童書の大切さに気付かれることと思います。疲れている方は、ぜひこの本を読んで子どもの本の楽しさに目覚めてほしいと思います。この本を読んで思うことは、子どもよりも大人の方が子どもの本を必要としているのではないかということです。