「ありがとうともだち」はともだちシリーズには珍しく
他の友達が出てきません。
キツネとオオカミの二人だけ。
二人きりだからふたりの友情を脅かすものが何もないかと
おもいきや・・・今回はオオカミさんの「意地とプライド」が
邪魔をします。
でも「ともだちや」のころから比べてなんと成長した二人!!
特にキツネくん。
もうおずおずと「あしたも きて いいの」
と訊いていたキツネくんではありません。
激高していたオオカミさんを一気に感動させてしまいます。
お話同様、絵のスケールも大きくて、森とは違った海の解放感も
味わえて、私の中でシリーズ一大好きなお話です。
あと実はこのお話が大好きなもう一つの理由、それは
私と主人の馴れ初めによく似たお話だから(笑)
海なし県で生まれ育った私が、海のすぐそばで生まれ育った
主人と「友達」だったころ、「釣りをしたことがない」というと
「釣りなんて簡単だよ!」と夜釣りに連れて行ってくれました。
しかし何時間ねばってもまったく釣れず・・・。
がっかりする「友達」にわたしは、それこそキツネくんのように
詩的で壮大な言葉は出てきませんでしたが、釣果はどうでもよくて
、海に来られてふたりで楽しい時間を過ごせたこと自体がうれしいのだ
というようなことを伝えました。
今の主人がそのことを覚えてるかどうかは定かではありませんが
「ありがとうともだち」を読むと私はあの時の海の様子が
はっきりと思い浮かびます。
「ありがとうともだち」で二人の友情がより強固なものとなった
オオカミとキツネ。今後のシリーズも楽しみです。