団地に住む私たち、雨の夜に読んだので気分もばっちりストーリートリップ。こちらは母と娘ですが。
せっかくの日曜日なのに雨降り。くさくさしていたけんに、雨の散歩へ誘うお父さんが素敵!
子供が雨の散歩を好きなことは、私たちも知ってはいますが、面倒くさくてなかなか誘えませんよね。それもせっかくの休日にね。
そういえば挿絵の鈴木まもるさんの『みんなあかちゃんだった』でも、雨でも散歩に行きがたる子供が描かれていましたっけ。
さてここから始まる夫婦ならではの文章と絵のコラボに注目です。
見事に行間が絵になっています。文章にないことが絵になっているのです。
なんだか他所の親子を垣間見せていただいているような気分。
長靴にはまった石をとってあげるお父さんの表紙絵も、それだけで温かくて好感です。
また妙に腰を曲げて洗面するお父さん、間取りなど、団地(それも築年数の古い団地)ならではの表現があり、不便な暮らしの私たちに妙な楽しさを与えてくれました。
雨の散歩じたいの楽しさもさることながら、親子の触れあいとしての時間を楽しむ要素もあり、オススメの一冊です。