大きいサイズのいつものぐりとぐらのぼうけんから、少しはなれた場所にちいさくちょこんといる、そんな印象の絵本です。
ピンチがあったり大喜びがあったりドキドキしたりのストーリーがなくっても、言葉がきれいでリズムがよければ子供の心にはすうっと響くんだなぁと、よくわからないながらもうれしそうに「あいうえお」を言う娘の横顔を見ながら感じました。
私自身は「は行」の、「はなびら ひこうき ふうせん ヘリコプター ほうきぼし」という浮遊感あふれる自由な感じが大好きです。「ら行」のろばさんの佇まいと、匂いたつような花々の名前もすてきです。
どうしてぐりとぐらの生活圏は、こんなにも子供のあこがれをかきたてるものであふれているんでしょう。子供を産むことができて、また改めて子供のころの気持ちをとりもどして、ぐりとぐらの日常をすみずみまで楽しめる幸せを、このちいさいサイズの本もきっちりと与えてくれました。