「あそび島」シリーズの中で1番好きなお話です。「けんかのきもち」と「ぜっこう」は、“これぞ男の子!”といった感じのお話ですが、「ぼくはいかない」に出てくる主人公しんちゃんは、娘と重なる部分があり、より親しみがわきます。
娘も、一人でお泊りをしたことがありません。本を閉じたあと、娘ならどうするかなあ?と思い、聞いてみると、首を横にかしげて、しばらく考えてから、「行かない。ママといっしょがいいもん。」と言いました。それからまたじっと考えて、「でも、ちょっと行きたいな・・・。」
そして、翌日。三年後のシーンを読んで、「三年生になったら、学校でこういうこと(子どもたちだけのお泊り)するの?」と、不安そうに尋ねる娘に、「そうかもね。でも、行きたくなければ、行かなくてもいいんだよ」と言うと、「行く!」と、今度は、はっきり。「ママとパパにおみやげもってきてあげるね、ぺガススの!」と、“三年後の”しんちゃんのような顔で答えてくれました。
でも、また次の瞬間には、急にさみしそうな顔になって、「ほんとは、ずーっと幼稚園のままがよかったな・・・。大人になりたくない・・・。」と、涙をぽろぽろ。きっとそれが今の正直な気持ちなんでしょうね。
単に物語の中のこととしてではなく、本当に自分の身に置き換えて、娘なりにいろんなことを真剣に考えたんだと思います。
けんちゃんの「ぼくはいかない」と言った勇気、そして、それを大事に受け止めてくれた愛子先生の心の広さ、どちらも素晴らしいな、と思いました。大人の尺度や都合に合わせようとするのではなく、子どもの成長に合わせて見守る大切さ・・・。
お泊りも、一人寝も、娘が自分で決めて、言い出すまで、待ってあげようと思います。