仕事を失っても石への情熱を持ち続け、やがて、科学博物館の鉱物学部長になった人のお話です。
「あいつは、ポケットにもあたまのなかにも石ころがつまっているのさ」と、周囲の人に言われるくらい
石が好きで、ひまさえあれば石を集めていた男の人がいました。でも「石ころじゃあ、金にならんぞ」と
言われ、ガソリンスタンドをオープン。スタンドの中には石のコレクションを飾る棚があり、鉱山のコミ
捨て場でみつけた石や友人と交換した石が並べられ、種類やとれた場所を書いた手書きのラベルが貼って
あります。
車の部品がとぶように売れ、商売も軌道に乗ったと思われた矢先、大恐慌が起き、スタンドは廃業、そして
失業。
彼は一生懸命仕事を探し、どんな仕事でも引き受けます。仕事が見つからないときはバスに乗って科学
博物館に出かけ、石の展示室で一日中過ごすことも。ある日、博物館で彼の目の前に一人の女性が。
この博物館のジョンソン館長でした。
自分の“好き”をつらぬくことの大切さを教えてくれます。一切ぶれない彼の生き方に魅せられ、感動し、
元気をもらえます。行き詰まっている大人にもおススメの絵本です。