駄洒落やギャグが好きな上の子に、落語の面白さを教えたくて、図書館で借りてきました。
子供の頃、誰かに聞いた話で、うろ覚えだったのですが、読んでみると、思っていた以上に面白かったです。
ある殿様が、目黒へ野がけに出かけ、その途中で匂いに誘われ農家の家で頂戴した「焼きさんま」。
その美味しかったこと!
殿様はすっかりさんまが好きになってしまいますが、当時さんまは下魚といって、身分お低い者が食べる魚だったそうです。その為、殿様はその後なかなかさんまを食べる機会がありませんでした。
しばらくして親戚の家におよばれした時、「どんなものでも、食べたいものを」といわれ、殿様は「さんま」を頼みました。
でも、出てきたのは、殿の口に合うようにと、すりおろして、つみれダンゴにしたさんま。
あまりのまずさに、殿様「これは何処のさんまだ」と聞きました。
「銚子から取り寄せました」という料理人に、殿様が一言。
「さんまはな。目黒にかぎる!」
また、川端さんのイラストがすごくお話に合っていて、最後のシーンの殿様の顔といい、ひっくり返ってしまうお側の者といい、なんともいえない面白さがありました。