「14ひき〜」シリーズの中で、最初に読んだ1冊です。夕暮れ時の色、音、におい・・・子どもの頃の安心感に満ちた「我が家の空気」に包まれ、ほわほわっとした気持ちでいっぱいになります。
家族でいっしょに入る大きなおふろ、みんなそろってのにぎやかな夕ご飯、食後の家族団欒のひと時、おやすみ前におかあさんが読んでくれる本、おかあさんとおばあさんが歌ってくれるこもりうた。
♪ねむねむ ねむのき はをとじて ねむねむ やまばと めをとじる おやすみ おつきさん とろりろ・・・♪
「おとうさんもむかしきいたこもりうた」 本当になつかしい感じのするこもりうたです。娘も、この日本的な旋律の、ふるさとの情緒たっぷりのこもりうたが大好きで、いっしょに口ずさんでいます。
こもりうたが聞こえてきても、まだ布団の上で遊んでいる子もいますね。娘は、「いたずらさん」を探して、笑っています。それぞれの掛け布団の柄まで覚えていて、「でんでんむしのおふとんは、ごうくんのだよ。だって、おぼうしがおいてあるもん。」と、灯りを消したあとに、そっと教えてくれたりします。
娘の1番好きな場面は、とっくんがお母さんに手を引かれて、寝る支度をしにいくところ。「とっくんは、あかちゃんだから、もうねむくなっちゃたんだね。とっくん、おしっこできるかなあ?」と、とっくんの様子をずっと目で追いつづけています。私が好きなのは、最後の「きこえるよ おゆのおと おけのおと おかあさん おばあさんのわらいごえ」・・・家族のしあわせは、家族の和にあるんだな、と実感します。