有名な絵本ですが、私は読んだことがありませんでした。次男が図書館で「これ、(幼稚園の時)先生に読んでもらった!借りる!」と言うので、初めて読みました。
昔は悪いことをすると「押入れに入ってなさい!」というのが常套句でしたよね。『モモちゃんとアカネちゃん』のモモちゃんも入れられていましたし、『サザエさん』でもタラちゃんが入れられていました。
それを当然としてきた私の感覚としては、お昼寝の時間に友だちを飛び越えて追いかけっこをした、さとしとあきらは、押入れに入れられて当然です。一度注意されても止めなかったということは、執行猶予を放棄したということで、キッカケを作ったさとしが、自分の意見を聞かずに先生が押入れに入れたことに対して怒るというのは言語道断、見当違いも甚だしいと思うのです。
子どもの言い分も聞かず、何でもかんでもすぐに押入れに入れるという先生の態度に疑問を投げかけるという意図もわからなくもないのですが、先生が先に謝ったこと、そして先生に対して二人が最後まで謝らなかったことは、どうしてもいい気持ちがせず、私にとっては、面白い本ではありませんでした。
でも、子どもの感覚は違うようです。子どもは謝るの、謝らないの、なんて関係なくて、「押入れ」というものそのものにワクワクします。そして、二人が手をつなぐことで力が増し、ねずみばあさんにも立ち向かっていくことが、一つの冒険物語やヒーロー物のように、「手に汗握る面白さ」のようです。
我が家の子ども達は、押入れが大好きで、よく押入れで寝たがりました。「押入れ」って怖くもあり、異世界への入り口のようでもあり、子どもにとっては要チェックなもののようです。
子どもにとっては、楽しい物満載のワクワク感を満たしてくれる本であったようでした。
というわけで、中間をとって☆4つです。