「3びきのこぶた」のいろいろなバージョンを追いかけていくうちに、オオカミものにも興味が湧き、ちょっとお間抜け風な雰囲気に惹かれて借りてみました。
全然オオカミらしくない(オオカミらしいって、怖くて悪いことらしい)オオカミの子、フィリップが、オオカミ学校に入学して、“大きなわる〜いオオカミ”になるための勉強をするお話です。
つい最近、人名に興味津々の娘が、「高貴な名前は、ジェームズ、ウィリアム、フィリップ」と言っていたので、主人公の名前がフィリップだというところで、まず大うけです。
学校の課題をこなすところはどれも面白いのですが、オオカミたちのセリフがフキダシになっていて、テンポがいいので楽しいです。
ただ、読み聞かせるには難しいですけれど。
私が特にいいなぁと思ったのは、オオカミ学校の先生です。何をやっても、学校がよしとする成果を挙げないフィリップですが、先生はイライラしながらも、きちんと彼のことを見ていて、彼の適性を的確にとらえ、一番良い身の振り方を考えてくれるのです。
これぞ教師のあるべき姿ではないかと思います。
最後にはフィリップの成功を一緒に喜ぶ、先生や両親の姿が素敵です。
読後感の良いお話でした。