シンプルな絵にわかり易い文章で、ものすごく深い内容を描いています。
なにげない描写なのに、見開き2ページに描かれた人たちは、全員弓矢を体に受けて倒れていたりと、結構衝撃的なシーンもいくつかあります。
最後のページから、また最初のページに戻ることが暗示されており、サブタイトルの通り、「なぜ戦争をするのか」を考え、戦争を繰り返す人間の愚かさを痛感します。
子ども達にも、あまり重苦しくなく、戦争が起こる過程を説くことができます。
ただ、ちょっと簡単すぎるというか、戦争が起こる過程ってこれだけじゃないよね、という感じがあるのです。
もっと複雑なものが混ざっていると思うのです。その人間の感情の複雑さ、国というものの複雑さを抜きにして、簡単に語ってもいいのかという躊躇があり、子どもに読むには少し考え中というところです。