子どもにとって初めての字のない絵本でした。私がこの本を選んだ理由は木が好きだからです。字のない絵本だということは知らずに選びました。読み聞かせというより二人して美術館に行ったようでした。イエラさんの個展を見に行ったかの様でした。細部まであまりに美しすぎてため息が出たり、息をのんだり。娘は目を見開くばかり。私はドングリの実がなる前のシーンが好き。タンポポが黄色に咲いている。木いっぱいに葉が付いている。木の雄大さを感じます。イエラさんは同じ木を描いていらっしゃるのですが、ここまで表情までも如実に伝わってくるグラフィックを私は知りません。しかも、木の幹は真ん中ではありません。木は主人公ではなくあくまで草花、動物が主役のように思えてなりません。木を取り巻く環境があくまでもメインで、それを木自身も納得して喜んでいるように私は感じました。木の優しさ。強さ。優雅さ。いろいろな表情の木を見ることができました。取り巻く環境も細部まで見ていたら何度読んでも新しい発見がありそうです。また眺めたい絵本です。