お互いにプレゼントするために、一生懸命どんぐりを集めるクマさんとヤマネくん。ページいっぱいに描かれた秋の風景と豊かな自然の恵みに包まれて、物語は進んでいきます。ほかの動物たちが希望の品物を次々と手に入れていく一方、クマさんとヤマネくんはあともうひとつがなかなか見つかりません。「やっと見つけた」と思ったら‥‥。
それでもなんとかどんぐりを集めることができたクマさんとヤマネくん。ところがふゆじたくのおみせはもう閉店しています。気がつけば、木々の葉はもうほとんど散り、あたりはすっかり晩秋の気配。そのとき、おみせのドアが開きました。
二人のことを思って、「ぜったいに買いに来るからとっておいてほしい」と森のみんながお願いをしておいてくれたのです。おかげで、二人は素敵にラッピングされたプレゼントをお互いに渡すことができました。
最後のページは真っ白に降り積もった雪で終わっています。でも、クマさんとヤマネくんはプレゼントされたセーターとチョッキで心も体もきっとほかほかなのでしょう。
秋から冬へと移り変わっていく森の様子がとても丁寧に描かれています。おみせに飾られているものひとつひとつがとてもかわいいです。うちの子供たちももちろんお気に入りなのですが、むしろ大人の子供心をくすぐる絵本といえると思います。