最初、「『ぼくを探しに』に似てる!」と思いました。
でも、読み終わると、なんとなくちょっと違うのです。
自分が誰かの部分品であるのか、それとも自分が部分品の集まりなのか。いろいろ悩みながらも、自分探しをしていくお話です。
『ぼくを探しに』と似たような形はとっていても、上手く言えないのですが、別の自分探し、別の成長を描いているような気がします。
シンプルな文、シンプルな絵なので、一見幼児向けなのですが、思春期の子ども以上が反応してしまうような絵本です。
最初は「ぼく」を突き放したと思われた人たちが、実は仲良しの友人になっていて、成長した「ぼく」を皆で迎えてくれるところなど、ちょっと感動です。
絵もシンプルなのに、時々釘付けになってしまうようなページがあり、特に波を描いたところなどは、必見です。