ねずみ年ということもあり、レオ・レオニの作品を読むことが多くなりました。意外な内容の深さに毎回驚いています。「はじめて おんがくを きいた ねずみの はなし」という副題がついています。
ジェラルディンというねずみが大きなチーズをかじると、フルートを吹くねずみの彫刻が出てきます。その彫刻が音楽を奏でるのです。音と音楽との違い。音楽は天からの授かり物なのでしょうね。ジェラルディンが音楽に触れる場面には崇高な喜びが漂っている気がしました。
食べるものがなくなったねずみたちがジェラルディンのチーズをもらいに来ます。ジェラルディンはチーズが音楽だからと言って断り、自分もしっぽを使って音楽を流します。それを聞いて素直に音楽を理解するとしよりねずみのグリゴリーがよかったです。
音楽を獲得した喜び、人に伝える喜びが伝わってくる本です。
谷川俊太郎もカバーに書いていますが「チーズの中から音楽が生まれる」という発想力がすごいなと思います。