感動した酒井駒子さんの「ビロードのうさぎ」が抄訳であることが気になり、探した原作といしいももこさんの絵本です。
酒井駒子さんの絵本から入った私には少し違和感がありました。それは文章の長さ。読み聞かせには少し向かないようです。
しかし、これが原作の物語。これはこれできめの細かさがあってとても素晴らしい。
多くの人に愛され、多くの国で訳され、翻案本も出ているのですから、原点としての偉大さを感じます。男の子が女の子を置き換えたメルヘンバージョンも目にしました。
この本の素晴らしさは、石井桃子さんのこだわりです。
いしいさんの訳としては以前に「スザンナのお人形」と合冊で「ビロードうさぎ」の旧バージョンが出版されています。
訳としての古さを感じたいしいさんが翻訳をし直しました。子供に伝えるためには今の子供に伝える言葉でとの思い。
それだけ思い入れがあったのです。
原作のFairyが前作では仙女だったのですが妖精になりました。
できれば、これを読んでから酒井バージョンを読んだら良かったと思います。
ついでながらウィリアム・ニコルソンの絵、原作ではそれぞれに題が付いていました。