宮沢賢治の絵本 注文の多い料理店」 しろいまちこさんの声

宮沢賢治の絵本 注文の多い料理店 作:宮沢 賢治
絵:スズキ コージ
出版社:三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:1987年11月
ISBN:9784895881067
評価スコア 4.84
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みんなの声 総数 63
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  • ダイナミックさはピカイチ!

    『注文の多い料理店』は、いろんな挿絵の方がいろんな出版社から出していますよね。
    ミキハウスはスズキコージさん。
    黒が基調で、すごくシャープな感じです。

    紳士を感情の喜怒哀楽含めて、すごく強調しています。
    大喜びのシーンでハイタッチをしてみたり、上着と一緒にズボンまで脱いじゃって、いつの間にかパンツいっちょになる(!)リラックスっぷりだったり。
    それだけに化け物と分かった時のコントラストがはっきりしています。

    だんだん不信感を抱く様子、そしてすべてがわかったショック。
    このあたりになってくると、たいていの本が
    化け物の方や家の中など
    紳士じゃないところに絵のウェイトや視線が向くのですが、
    スズキコージさんは紳士サイドの方に最後まで重点を置いた描き方です。
    (なので、ホントいうとちょっとだけ化け物が物足りない感じがしました。
    文章には忠実なんですけどね〜)

    場面が一転したあとは、一度はぐれた犬の再登場です。
    この犬、最初に登場したときからいっちゃった雰囲気で、個人的に大好き!なんですが
    ここではさらに大活躍!
    いろんな『注文の多い料理店』のなかで、犬はこの作品が最高だと思っています(笑)。

    起承転結の「転」と「結」の間、扉の向こうに消えていくシーンは
    お芝居でいうと暗転にあたる場面ですが
    スズキさんはここを文章なしの1見開きを使って描いていまして
    他の本にはない「間」が生まれています。

    そのあとはエピローグ感が強いですね。顔が戻らなくてもめでたしめでたしって雰囲気に。

    スピーディでダイナミックなので
    男の子に読んだら反応がよさそうだな…と思いました。

    投稿日:2014/07/02

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