ジョン・バーニンガムの記念すべき最初の絵本。
しかも、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した彼が26歳のときの作品。
1963年の初版です。
お話は、羽のないガチョウのボルカが、ほかの兄弟たちに仲間はずれにされるところから始まります。
そして、冬になってガチョウの群れは南に飛び立っていくのですが、ボルカは誰にも気づかれることなく、置き去りにされるのです。
仲間はずれにされていたせいで、飛ぶことも泳ぐことも覚えることが出来なかったからです。
その後に出会う人々と植物園のガチョウたちの優しさがあって救われる気持ちになりますが、やはり、両親がボルカを一人ぼっちにするという設定に違和感が残りました。
自然界の厳しさと言ってしまえばそれまでですが、子供に読み聞かせるにあたって、両親の愛情を感じられるシーンが少ないので、少し聞き手を選ばないとならないと思います。
逆に言えば、生きていくことの厳しさを感じとれれば良いと言えるのかも知れません。
4〜5歳からとなっていますが、子供の感性を考えてから読まれた方が良いと思います。