日本の昔話で、たぬきや人間がでてくるというと、ばかしばかされといった対立的な話が多いなか、このお話は、たぬきのばけたちょうちんのおかげで、人びとが安心して橋を渡ることができたという、ほのぼの心が温かくなる愛情いっぱいの物語です。
人びとがちょうちんのおかげで助かる、ありがたいという気持ちと、人の役に立ててうれしいというたぬきのおじいさんの心、その話を聞いて「ぼくもやっぱりそのちょうちんになりたいよ。」と目を輝かせる、まごのたぬきの心が、いもとようこさんの温かい絵とともに、私の心にじんわりとしみこんできました。
浜田 廣介さんの他の作品もいくつか読みましたが、この「たぬきのちょうちん」は文章も短く、分かりやすいので、息子がもう少し内容を理解できるようになったら、読んであげたいと思います。