グレニエツのかわいく力強い絵と、その立体的な技法に目がいっていたせいか、最後の1ページに、ビックリしました。
「えっ?そうだったの?」
私自身、母子家庭なこともあり、このトムにマフラーを巻いてあげた、お母さんの気持ちを考えると、なんとも・・・
一言では現せない、切ない・・気持ちです。
それでも、トムは、毎日、強さと優しさと思いやりを持って、たくましく生きていきます。
トムから、マフラーを奪った風と作者のあまんきみこさん。
それでも、トムは自分で、帽子を取って空を見上げます。
マフラーの色は、いつの間にか訪れていた春の若葉の色でした。
このページが大好きになりました。
表紙のトムは、マフラーと帽子で、鼻しか見ることが出来ませんが、このページのトムは、もう大丈夫だと実感したかのように、若葉につつまれて、空を見上げています。
私も、息子にマフラーこそ巻きませんが、
「健康で、強くて、思いやりのある子になってね」
と、いつも抱きしめています。
なんだか、このトムに、私が癒されたようです。