学校で宿題を出された。抱っこをしてもらうこと。
急いで家に帰ったもぐ君は、赤ちゃんのお世話で大忙しのおかあさんに、抱っこをしてもらおうとするが…
2003年刊行。いい話なのかもしれないが、個人的にはかなり残酷な話だと思ってしまった。
家庭環境に問題がある子どもは、拷問にしかならない宿題。
家族が大好きで、愛されている実感がある子どもは、素敵なプレゼント。
このお話のように、以前より親にかまってもらえなくなって、寂しい思いをしている子には、癒しの時間かもしれない。
今も昔も、本当は家庭環境はいろいろで、必ずしも仲が良い人たちばかりではない。絵本だから、難しいことは言わず、理想の世界を描いて、夢や希望を持たせようとしたのかもしれない。
作り手の想いはさておき。
自分がこのクラスの生徒だったら…と思って、お話を想像した。また、他のクラスメイトの場合も想像してみた。
いろんな展開があるだろうと思った。
もし、自分がこの宿題を出されたら、適当に誤魔化して、やったフリをする。特に提出物もないので、どうにでもなる。
家族にはもちろん言わない。
そして、将来の自分は、どういう風になりたいかを考える。特にどんな家庭を持ちたいかを考えると思う。
どんな環境、人間関係で育ったかが、露骨にわかってしまう絵本だと思う。意外と重かった。こういう風にどの子も笑えるといいなあ。