息子が生まれた頃、エド・ヤング作品はコルデコット賞受賞直後(「ロンポポ」とこの絵本)ということでずいぶん話題になっていました。「七ひきのねずみ」は中国的な切り絵の美しさと、ことわざのおもしろさが生きていて、息子といっしょによく楽しませてもらいました。ねずみたちの顔に直接表情は描かれませんが、彼らの感情は体の様子――しっぽの伸び方、角度、体の姿勢など――に見事に表れていて、親子共々、そんなところに感心していました。ねずみたちのちょっぴり抜けた勘違いも小さな息子にはすごく楽しいようで、わかりきっていることにもかかわらず、何度読んでも毎回顔をニヤニヤさせて喜んでいました。
訳書の方は、最近知りました。今度は日本語で娘に読みましたが、(彼女の日本語があやしいので……)理解しているかなあ。表紙を見ると、ねずみたちのおしゃべりを楽しんだ小さな息子の顔が浮かんでくる絵本です。