作者はドイツの文学界では、かなり有名な方らしいです。
確かに、(副題にもある)愛のお話でした。
本当の愛をもっている人は、はなから『偏見』なんてないんですね。ドイツ国内では、そこのとこがとても高い評価で受けた様です。
主人公の男の子が、
(これが、ロートラウト・ズザンネ・ベルナーという画家に描かせると、ちっとも、子供に見えないのです。私は最初独り者の、いい年したおじさんかと思いました。)
ある動物園に行くと、とても臭くて汚いハイエナがいました。
すると、目のあったハイエナが、男の子を呼んでいうのです。
「ねぇ、あたくしのいうこと、信じてくれるかしら?」
「あたくし、ほんとのこというと…、…王女さまなの」
すると、男の子は答えます。
「きみの力になることはできないの?」
「できますとも。どなたか、あたくしをお茶によんでくださればいいんです」
「そうすれば王女さまにもどれるんですか?」
「わかった!じゃあきょう、ぼくのうちにどうぞ」
男の子は、臭くて汚いハイエナを家に招待します。
けれど、『本当は、王女さまだった』なんてハイエナの真っ赤なウソだったんです。
けれど、男の子は(途中で気付いた様でしたが)最後にハイエナが打ち明けるまで何もいわず、打ち明けても驚きませんでした。
ラストで、男の子とハイエナが腕を組んでいるシーンは、心に残りました。