ぼくは、おさるです。
みなみの しまに、すんで います。
この書き出しで、みんなを〈おさる〉の世界へ引き込み、物語が始まる。
お日様が昇ると目を覚まし、
おしっこして、ご飯を食べる。
それから、毛づくろいが終わったら、
木登りやかえるなげをしたり、水浴びをして遊んだりして、
夜になったら、寝る。
次の日も、次の次の日も、同じように毎日を過ごす。
が、その生活にも、時々、〈事件〉が起きる。
それが、〈まれびと〉のウミガメのおじいさんの存在だ。
ゆったりとした時間の流れが心地よく、ホッとさせてくれる。
ユーモアと安心感が全編を流れている。
お茶目なで、楽しく、それでいて、優しい世界だ。