この絵本は、アメリカの古き良き時代のお話で、そのころの1年間の様子です。
物語は、親子が一年間に作った品物を町に売るところから始まります。
それは、父親が刈り取った羊の毛に、母親がその毛を紡いで織ったショールと
娘が編んだミトン。そのほかのもの。それに、作物。
荷車に乗せて出発します。
町で、すべてのものを売って(荷車も牛も売ります)
必要なものを買って、歩いて家路につきます。
そして、また一年かけて、様々なものを作る様子が語られます。
物語は、とてもシンプルで、家族の生活もまたシンプルです。
大人も子どもも、とてもよく働きます。でもそこには、温かさと安心感があります。
こういう生活こそ、人間の原点なのだと思いますが、今の時代でこの生活は、とても難しいです。
じゃあ、なんでこの絵本が読み継がれているのか。
こういう生活が無理でも、こういう気持ち・考え方はできると思います。
絵本を見ることにより、様々なことを考えさせられ、
思い出され、大切にしなければ、ならないことに気づかされるのだと思います。
横長の絵本なので、父親が出かける景色が広々としていいです。
その景色も美しいです。