夫は子どもの頃、絵を描くのが大好きで、暇さえあれば絵を描いていたそうです。
その絵を見た親が何気なく「おまえ、絵がヘタだな」と言い放って行ったのをキッカケに、自ら進んで絵を描くことは二度としなくなったそうです。
今でも、「オレは絵がヘタだから描けない」と描こうとしません。
この絵本に出てくるワシテも絵が描けません。
でも、先生は真っ白な画用紙を見て「早く何かを描くように」とは言いません。「何かしるしをつけてみて」と言われたワシテが「これでどうだ!」と描いたたった一つの“点”を“絵と認めて”額に入れて飾ってくれます。
ワシテはびっくりすると同時に、もっと良い“点”がかける!!と、開けたこともない水彩絵の具を出してきていろいろな“点”を描き始めます。そして学校の展覧会でワシテの“点”は大評判!!
夫にこの絵本を見せたら、「こうして認めてくれていたら、自分も絵に自信をもって今も描き続けていたと思う」と言っていました。
親の何気ない一言が、子どもの心に大きな傷をつくってしまうことっていくらでもあると思います。
その言い方ひとつで、好きな事を苦手にさせてしまうか、逆に苦手だった事を好きにさせてしまうか・・・親の言葉はいくらでも魔法の言葉になるのだと思います。
その事を常に心に留めて、子どもに接していきたいと強く思いました。