子供には,5歳の頃に読んであげましたが,あまりピンとこなかったようです。読んでいる私も,何か照れくさくて,これは大人の絵本だなとつくづく思いました。
絵も,うさぎの毛のふわふわした優しく繊細な絵ですが,基本的には白と黒の2色で,少し暗い感じがします。
黒うさぎの強い想いが,白うさぎに通じたと言えるのですが,少し意地悪な見方をすれば,何故白うさぎが急に黒うさぎと結婚する気になったのか唐突な感じがします。
でも,この絵本が,当時発売されたアメリカで「白い」うさぎと「黒い」うさぎの結婚が人種的なテーマを連想され,話題になったという話を聞けば,黒うさぎの悲しみと黒うさぎの想いを受け入れた白うさぎの気持ちが強く伝わってきます。
このような見方が,正しいかどうかは分かりませんが,白うさぎの「強く願えばきっとかなう」という言葉のとおり,人を愛する強い気持ちが,困難を乗り越える力になることが伝わってくる絵本です。