小学校低学年の頃、
担任の先生が読み聞かせをしてくれ、
花さき山の幻想的な美しさにすっかり惚れ込み、
図書室から何度も借りては読みました。
疑うべくもない名作なのですが、
今読んでみると、
何だか評価に困ってしまうのです・・・。
我慢することも大事な事で、
時には自己犠牲が必要な時もあるでしょう。
確かに、
自分が満たされている時だけでなく、
忙しい時や大変な時、
自分も苦しい時でさえも人を思いやれる人こそが、
本当に心の優しい人と言えるのかもしれません。
ですが、双子の兄弟の場面。
あまりに可愛そうで、
どうしても後味が悪くて仕方ないのです。
母親は、なぜ背を向けているのでしょう。
兄の我慢の上に胡坐を描いて、省みる事もしないのでしょうか。
年の離れた兄弟ならいざ知らず、兄もまだ乳飲み子です。
誰もその優しさを知らなくても、山は知っている。
これは、親離れをしつつある子供なら心の支えとなりえますが、
母親が絶対である年頃の子には、何の慰めにもなりません。
この描写があるので、
小さな子供に読むのにはちょっと躊躇いがあります。
美しい画集と割り切ってしまうなら、
小さいうちから触れさせてあげたいのですが・・・;